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相続の基礎知識

遺族の生活を守る遺族厚生年金とは

遺族の生活を守る遺族厚生年金とは

一家の大黒柱が死亡したとき、その人が厚生年金に加入していれば、残された家族は遺族厚生年金を受け取れる可能性があります。遺族厚生年金とはどのようなものなのか、どんな条件でそれが受給できるのか、概要を解説します。

遺族厚生年金とは

遺族厚生年金とは厚生年金に加入している者が死亡したとき、その配偶者や子が受け取ることができる年金です。

遺族厚生年金は遺族年金と呼ばれる年金の一種です。もう一つ、国民年金の加入者を対象とした遺族基礎年金もよく知られた遺族年金です。厚生年金に加入している人が死亡した場合には、配偶者などは遺族厚生年金と遺族基礎年金の両方を受け取ることができる可能性があります。

遺族厚生年金の受給対象者

遺族厚生年金の受給対象者は、死亡した者によって生計を維持されていた、1.妻、2.子、孫、3.夫、父母、祖父母です。

このうち、妻は年齢に関係なく受給できます。ただし、夫の死亡時に30歳未満で、子のいない妻の場合は、5年間のみの期間限定の給付となります。

子または孫は18歳到達年度の年度末を経過していない者であるか、20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者という条件があります。

夫、父母、祖父母は被保険者が死亡した時点で55歳以上であることと、支給開始は60歳からという条件があります。

また、子(18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の障害者)のある配偶者と子は、遺族基礎年金も併せて受け取ることができます。

遺族厚生年金の受給条件について

遺族厚生年金の受給条件は大きく分けて3つあります。

まず、1.厚生年金の被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の怪我か病気がもとで初診日から5年以内に死亡したときです。

次に、2.老齢厚生年金の資格期間を満たした者が死亡したときです。

そして、3.1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられる者が死亡したときです。

これらのいずれかの条件を満たしていれば遺族厚生年金を受け取ることができます。ただしもう一つ、死亡した者が一定の保険料を納めていることも前提条件となります。その保険料とは、保険料免除期間を含む保険料納付済期間が、国民年金加入期間の3分の2以上あること、とされています。すなわち、会社に入っていなかった時期がある人は、その間、国民年金をしっかりと払っていないと対象外になることがあるので注意が必要です。

受給対象者にある「生計維持」とは

受給対象者の中にある「死亡した者によって生計を維持されていた」とはどのような状態のことを言うのでしょうか。

これは、1.生計同一要件と、2.収入(所得)要件のいずれも満たしていることを指します。

生計同一要件とは、住民票上同一世帯であることが基本です。ただし、住民票上の世帯が別でも住所が同一の場合や、単身赴任や就学で住所を別にしていても仕送りなどの経済的援助と定期的な音信が交されている場合などは生計が同一であると認められます。

収入要件は、前年または前年分が確定していないときは前々年の収入が850万円未満であることが条件です。または、所得が655.5万円未満である場合も要件を満たしているとされます。
 
遺族厚生年金の仕組みは複雑で、家族構成や年齢、収入などによってさまざまなケースに分かれます。もらえるはずのものがもらえないなど損をしてしまうことがないよう、自分のケースに当てはめて情報を整理することが大切です。一家の大黒柱が亡くなった後で慌てることのないよう、あらかじめ受給条件などを確認して、もしものときのために備えておくことをおすすめします。